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TEL. 03-5471-0531

〒140-0013  東京都品川区南大井3-15-5



富士印刷株式会社

会社名:富士印刷株式会社
本社:三重県四日市市南起町4-1
電話:059-352-8181
                             
三重県四日市の富士印刷株式会社が、ウエブテック製のインライン枚葉専用検査機「PIS3000」を導入したのは昨年11月。
「高い品質が要求される仕事を受注するための有力な武器の一つに」と、その導入理由を語るのは水谷勝也社長(47歳)だ。搭載された印刷機は、ハイデルベルグのUVニスコーター付菊全判7色オフセット印刷機。ワンパスで様々な表面加工ができる高付加価値印刷機である。パッケージ用の厚紙印刷で威力を発揮している同社のエース機的存在だ。


                    


富士印刷株式会社の創業は1966年。水谷社長の父君である水谷春三会長がビジネスフォームの印刷会社として開業した。以後、地元の金融機関を主力得意先にしたビジネスフォームを中心に、パッケージ、商業印刷、マルチメディア関連へと業域を拡大し、地元有数の総合印刷会社として社業を伸展させてきた。

現在の社員数は80人で年商は約12億円。地方の印刷会社らしくプリプレスから製本・後加工までの一貫生産体制を敷いている。水谷社長によれば、現在、主力のビジネスフォーム関連が売上げの半分以上を占めており、以下、パッケージが約2割、残りが一般の商業印刷だという。

「市場の将来性を考えると、ビジネスフォーム関連への依存度が高すぎる。したがって、早くから手がけ、それなりのノウハウを持っているパッケージ部門を伸ばしていくことが課題」と今後の営業戦略を語る。それも「一段と高い品質が要求され、付加価値が見込める高級パッケージに照準をあてている」と、戦術的目標も明快だ。

いうまでもなく品質要求のハードルが高くなればなるほど、「品質保証」のそれが高くなるのは自明の理。その品質保証の力強い助っ人がインライン枚葉印刷検査機「PIS3000」というわけである。


                    独自の高性能スペック


「PIS3000」の最大の特長は、シートが最もフラットになる圧胴上での検査を可能にする「シートスタビライジングシステム(SSS)」と呼ばれる技術だ。

光の反射を利用するというのが検査の原理。したがって紙の張力(テンション)がある輪転機の場合は、反射状態が安定しているため精度の高い検査が可能だが、枚葉機の場合は、紙に張力がないために光の反射状態が常に変化する。その結果、不安定な検査精度になる。これが、これまで枚葉機でインライン検査装置が普及しなかった理由だという。一方で、印刷物に対する高品質とコストダウン、さらに短納期化の要求は年を追うごとに厳しさを増しており、枚葉機の分野でも、生産と同時に全品検査を行えるインライン方式の精度の向上が求められていた。

圧胴上での検査方式は、こうしたユーザーの切実な声に応えたものといってよく、シート厚も薄物から0・7ミリのカートンまでと幅広い。ちなみに同方式については、現在、特許を申請中とのこと。

これ以外にも、画像を高いコントラスト(濃度差)で映し出すことで、より薄い汚れを検知するディレクショナルライティングシステムや、画素ズレのない鮮明な画像データを得られる「3CCD(3板式)デジタルラインスキャンカメラ」の搭載など、独自の高性能スペックで検査精度の向上を図っている。

特に、従来は無理とされた蒸着紙に対応できることも同装置のアドバンテージになっている。また、連続して不良が発生した場合はフィーダが自動的に止まるように、あらかじめ設定しておくことも可能だという。



                  


                印刷機長も高い評価


さて、「PIS3000」を設置してから半年余が経過した。搭載機であるUV7色機の松田剛機長(35歳)に感想をたずねると、「精神的に大変楽になりました。全数検査をしてくれるわけですから、安心感がまるで違います」という答えが返ってきた。

ひと口に不良といっても、油ダレ、水ダレ、パウダーや紙粉の汚れなど、その種類も大きさもさまざま。「発生した時点で瞬時に判るというのがいいですね。一定数ごとの抜き取りで、たまたま汚れを発見したとしても、それがどの時点で、どの程度の範囲で起きているかとなると、前後をチェックするぐらいしかできませんから」。

さらに「濃度測定のための抜き取り検査は今まで通りですが、その濃度不良についても検査してくれるので、適切な対応がすばやくできます」とも。

また「機械に油を差すのは、時期といい、量といい非常に神経を使うのですが、検査機を入れたことで、最適なタイミングや量を、より精確に把握できるようになった」と、メンテナンス力の向上につながっていることも明かしてくれた。
最近の例で、極小のインキ飛びを検知するので、最初は原因がわからなかったが、よく見ると、紙にへこんだところがあって、インキが乗らない理由がわかった。こうした欠陥を紙の供給側にフィードバックすることで、より確かな品質保証体制を構築していきたいという。

以上、「PIS3000」に対する松田機長の評価はきわめて高いのだが、もう一つ、便利な機能として、印刷機のデリバリ部に装着された「リジェクター」(別売)をあげる。これは検知された不良シートを自動的に排出する排出装置で、面倒かつ重労働だった積み替え作業を解消するものとして開発された。印刷運転中にボタン一つでサンプルを出すこともできる。また可動式なので板取りも簡単に行える。 

精神的にも、肉体的にも現場の負荷を大幅に軽減した〈検査+デリバリシステム〉であることは間違いなく、「その分、次の仕事の段取りなど、これまで以上に生産性を高めていくことができる」という松田機長の言葉が説得力を持つ








                   
新規開拓へ着実な布石


冒頭で紹介したように、富士印刷では現在、高品質パッケージに的を絞って、OPニスや擬似エンボスによるサンプル作りや、クリーンルームの新設など社内体制を整える一方で、新規開拓のための営業活動も精力的に展開している。

すでに品質ISO、環境ISO、FSC(森林認証)、Pマークを認証取得し、さらに今回のインライン枚葉専用検査機「PIS3000」による品質保証体制の構築―。

「足りないのは仕事だけです」と苦笑する水谷社長だが、マーケットリサーチや東京市場への進出など、この間の地道な努力に「手ごたえを感じている」ことも確かなようだ。同社の今後に期待したい。



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