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TEL. 03-5471-0531

〒140-0013  東京都品川区南大井3-15-5



ダイム株式会社


会社名:株式会社ダイム
本社:大阪府吹田市江坂町2-6-5
電話:06-6192-7515

「感性と技術の融合」をコンセプトに、製版技術を核とした印刷会社向けサービスを展開する株式会社ダイムはこのほど、ウエブテック(株)製インライン枚葉印刷品質検査装置「PIS3000」を導入し、全数検査による「安心」をサービスに加えるとともに、不良品を出さない生産工場の構築に乗り出した。


                   


                      必然の投資

同社は昨年一月、「印刷会社が安心して利用できる製版・印刷工場としての機能強化」を目指し、製版工場と印刷工場の統合を図るとともに本社を移転。同時に以前から検討してきた製版システムの大幅な拡充と菊全判七色機を増設し、改めて印刷会社との強固なパートナーシップ構築を呼びかけている。

そんな同社を支えるコア技術は、製版専業時代に永年培ってきた画像処理やカラーマネジメント技術である。印刷機を導入後は、高精細印刷や広色域印刷など、この製版技術を活かした高付加価値印刷で一躍注目を浴び、「Hyper Brilliant Color」と名付けたファインイメージングソリューションは、各方面から高い評価を得ている。「色」へのこだわりを生命線とする同社では、印刷工程でもこの製版技術を反映させるべく、一号機・二号機共に分光式色調管理装置を配備。分光式のためプロセスカラーだけでなく、特色インキについても濃度、色彩値、色差、ドットゲイン、コントラストなどの各測色データを評価できる環境を構築し、数値管理に基づく印刷環境のデジタル化に取り組んでいる。

しかし、同社における「検査」という分野での仕組みは、製版工程に留まっていた。「質の高い印刷物をシステマチックな仕組みで生産する」という同社の明白なコンセプトのもと、それを最終的に保証する印刷品質検査装置への設備投資は必然であった。その重要な役割を担うことになったのがフルデジタルカラー印刷品質検査装置「PIS3000」である。同社の主力生産機である菊全判七色機「リスロンS740」に搭載され、一月末からインラインによる全数検査の運用に入っている。



                   
検査装置の最大の使命

「PIS3000」を「工場全体の運営を最適化するための診断ツール」と位置付ける安平社長。「検査装置は、検査の手間を機械化によって省く、また不良品を出荷しないためのフィルター的機能に着目されがちだが、その検査結果をフィードバックし、不良品を出さない工場を構築するための情報として活用することが最大の使命だと考える」とPIS3000への期待を語っている。

また安平社長は、「決して過剰品質を生み出すためのツールではない。印刷は刷り出しから最後まで、ある一定の範囲でぶれながら進行する。顧客の品質要求レベルによって、その範囲をランクで設定し、そこに収めていくのが検査の工程である」と定義付けしている。現時点では、色調管理装置によって、色調レベルを二段階に分けており、今後それぞれに各三段階の検査レベルを設定する考えで、計六レベルをシステマチックに運用する方向でランクの特定作業を進めているという。



                  


                    濃度変動も検出 

ダイムが挙げるPIS3000の最大のアドバンテージは、超高感度・超コントラストのダイクロックプリズム方式3CCDカメラの性能である。同社では二台搭載し、最小欠陥検出サイズは〇・二五ミリとなっている。

同カメラは、地汚れやヒッキーなどの欠陥だけでなく、濃度変動の検出までも可能なことから、同社では抜き取りによる分光式色調管理装置での数値管理と併用することで、より高い色管理が可能となった。さらにカメラの性能について、同社デジタルプロセスチームリーダーの平山昭二氏は次のように評価している。

「精度が高いため、印刷機械のメンテナンス診断ツールとしても活用できる。シビアな色管理を実践する当社にとって、印刷機トラブルの予兆の予兆までを事前にキャッチできることは、大きなメリットだ」この他にも、PIS3000には、シートを安定化させるSSSシートスタビライジングシステムや、欠陥部分を高いコントラストで映し出し、蒸着紙の検査も可能にしたDLSライティングシステムなど、独自の開発思想を盛り込んだ画期的な機能が採用されている。

とくにSSSシートスタビライジングシステムは、圧胴上で、咥え尻までの高精度な検査を実現しているため、印刷会社を顧客とし、紙を選べない同社にとって、有効な機能としてアドバンテージの一つとして挙げている。



                   
新たな可能性と期待

これまでの運用を通じて、良好な結果をはじき出しているPIS3000。この評価を踏まえて同社では、「極限まで水を切った印刷」、もしくは「水なし印刷」への挑戦も視野に入れているという。

これまでも同社は、添加剤を一切使用せず、水道水を湿し水として利用するといった試みを実践するなど、湿し水による印刷の不安定要素排除にチャレンジしてきた。しかしこの試みは、印刷オペレータに多大なプレッシャーとなっていたことも事実。「高精細印刷などを武器とする当社にとって、水を使わないメリットは大きい。ただ問題は地汚れだけだ」(平山氏)とする同社では、PIS3000の導入によって、品質に対するオペレータのプレッシャーを軽減するとともに、不測の事態に対応できる検査体制を構築できたことで、新しい挑戦への可能性が広がりを見せている。

また、同社はCIP4が主催する二〇〇七年ユルゲン・シェーンハット記念CIP4国際印刷製造革新賞(CIPPIアワード)で、「和製JDFインターフェース」を統合し、同社のコア技術である製版工程をJDFに巧くはめ込むことで自動化を促進した点が評価され、「プロセス自動化技術を最も革新的に活用した事例」部門の二位に選ばれるなど、「ファクトリーオートメーション」の実践でも知られる。今回の検査装置導入の裏でも、「将来、検査工程の情報を何らかの形で基幹システムの情報に反映させることはできないか」といった期待も見え隠れしている。


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